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「知る権利」は常日頃から脅威に晒されており、その防衛は命懸けで行わなければならない。
【2007/09/27 08:15】 著作権
 文化庁(実質的には生野−川瀬ラインだけ、との説すらある)は何が何でも著作権法第30条をスクラップにしたがっており、昨日は遂にその一歩を踏み出した訳であるが30条に様々な角度から「蟻の一穴」を開ける為の作業はとっくの昔に始まっていて、5月に成立した映画盗撮防止法がその第1弾である(文化庁は同様の規定を著作権法本体に吸収したうえで本法を廃止することに対して「業界の努力義務を定めた第3条が存在するから」困難である、と非常に後ろ向きであるがそんなものはコンテンツ健全化法にでも吸収すれば良いだけの話である)。

で、映画盗撮防止法というドリルで開けた穴に灯油を注ぎ込んでいるのが現状ということになるであろうか。当然ながら、灯油が満タンになったら点火で哀れ30条はスクラップと化してしまうのである。

正直に言って、現時点ではこの問題に対する関心が高いとは言い難い気がする。本当の意味での「知る権利」の危機であるにも関わらず、である。その理由はやはり「違法複製物の入手を違法化することの何が悪い」と第一段階で思考停止してしまい、30条をスクラップにしてしまうことの本当の危険性が想起し難いからに他成らないだろう。

別のケースに置き換えてみよう。少年事件の鑑定書が流出し、ジャーナリストの著書に引用された事件で図書館が問題となっている著書の閲覧を停止している事例が相次いでいるが、文化庁がやろうとしていることは、この事件の当事者が損害賠償を提起することが出来る相手を鑑定医・ジャーナリスト・出版社以外に図書館でこの本を閲覧した読者にも拡げるのと同じ様なことなのである。

日本レコード協会が一般国民の情報入手に対して膨大なリスクを強いることを望むのは勝手であるが、それによって得られる益は一般国民が「知る権利」を阻害されることによって受ける損失と釣り合うものには決して、成り得ないであろう。当然ながら、それはマスメディアの原則たる「取材源の秘匿」に関わる問題にも発展する。

中山先生は常々「世の中は、知的財産だけで出来上がっている訳ではない」と仰せであるが知的財産のこと“だけ”考えてさえいればいい立場の人間が寄り集まった中で出て来る発想がいかに貧困かつ危険であるかを象徴するような悪法案が平然とまかり通るのが、今の日本における知的財産行政なのである。

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